ネットワーク会議とプライバシー保護について
最近は各自治体で「要保護児童対策地域協議会」が開催されるようになり、ネットワーク会議も以前より開催されやすくなってきています。「要保護児童対策地域協議会」(要対協)は参加者に守秘義務がかかっているため、行政のみならずNPOや民間ボランティアも一緒に事例検討ができるようになりました。要対協は代表者会議と実務者会議、そして個別ケース会議の三層構造になっており、困難事例については臨時にネットワーク会議を開催することもあります。
先日、性的虐待ケースのネットワーク会議に、児童相談所は、児童養護施設も満員だから地域で見守りをお願いする方針を立て、民生委員と児童委員にも会議に参加してもらったそうです。性的虐待ケースを入院先から家庭に帰して在宅で見守りをするという方針も大いに大変問題がありますが、地域のボランティアにシビアな情報を流してしまったというのもいかがなことかと思いました。どうして児童相談所はワンパターンな対応しかできないのでしょう。どこが自分たちは専門的領域をやるということなのでしょう。専門的なアセスメントもできていないし、社会資源を使うツールも知らないのではと思ってしまいます。専門性が担保されない児童相談所に振り回されているように感じました。さらに東京には「東京ルール」というややこしい通告のやり方があって、保健センターの保健師から直接通告は受け取らないそうです。(これは法律違反ではないですか?)国民すべてに通告義務があるわけで、子ども家庭支援センターからでないと受け付けないというのはおかしいと思います。
ちなみに、性的虐待ケースのネットワーク会議をする場合は、コア・ネットワークを形成し、その家庭のプライバシーは慎重に保護するように留意する必要があります。コア・ネットワークとは、行政機関に所属している職員または子どもが所属している関係機関の職員です。しかしたまに児童委員から性的虐待が疑われると情報が入ったり、通告があることもないわけではないのでその時は会議に参加してもらうこともあるでしょう。そうではなくて、何も知らない児童委員や民生委員に安易に性的虐待ケースの家族情報を流すということは、その家族が地域で生活し、暮らしていくときに偏見や支障がないか心配です。
個別ケース会議やネットワーク会議に民間ボランティアを参加してもらう際は、ケースの概況をしっかりアセスメントして、何のためにかかわってもらうのか、役割に見合った分担をすることが大事だと思います。そして、先の見通しが立たないからと、何でも地域で見守りをするというのでは安全は確保されないし、子どもも傷つくでしょう。
今回のケースは、地区担保健師がいろんな困難にもめげないで被害児童の安全な行き先を探しています。こういう保健師や養護教諭に出会わなければ、子どもは家庭に帰され、さらにトラウマは深まっていくということを分かってほしいと思います。