要保護児童対策地域協議会でのできごと
江戸川区の小学1年生男子が父親から暴行を受けて虐待死した事件は記憶に新しいので、どこの講演会に行っても挨拶で引き合いに出されます。私も以前から、江戸川区の健康サポートセンターで実施している虐待予防検討会にスーパービジョンに行っていますので、他人事ではないと深刻にと受け止めています。その事例検討会でいつも話題になるのが、子ども家庭支援センターとの連携の難しさと管轄の児童相談所が動かないという歯ぎしりに近いような苛立ちです。それは江戸川区に限らないのです。都内でも他の県でも児童相談所と保健所と子ども家庭との連携は難しいというのが現実ではないでしょうか。
そういう現状のなかで、数年前からK市S区では要保護児童対策地域協議会実務者会議で「児童虐待のネットワーク」について講演して、その後中学校区毎に児童委員・民生委員・学校教師・児童福祉司・保育士・保健師・指導員などが一堂に会して困っている事例の検討とスーパービジョンを私が行い、より連携がとれるように話し合いを積み重ねて来ています。K市の他の区でも子ども家庭センターの指導で講演会を実施していますが、果たして講演会の内容が実務者の実践に役に立つのか疑問を感じるできごとがありました。虐待通告の窓口が法改正後市区町村に広がったのは周知のとおりですが、自治体によっては通告受理にいざこざやタライ回しなどがあって本当に連携が難しいと感じるこの頃です。先日、論文に保健師の力量が市区町村の子ども家庭支援では役に立つのではないかと書きましたが、果たしてそうなのか疑問を感じているこの頃です。子ども家庭と母子保健の保健師の連携も今後ますます必要になってきているのに、虐待は子ども家庭にと丸投げする母子保健の保健師もいます。こうなると保健師って何する人?これから必要なのかな?
要保護児童対策地域協議会が上手に機能するようになるには、子ども家庭支援センターのマネージメントやコーディネートが重要で、かつ児童相談所も参加意識を持って発言し、参加者も「来てよかった」と思えるような会議でなければいけないかなと思います。先日、ある区の要保護児童対策地域協議会に行ってきました。参加者が事例について自分が判断したことや問題点や支援方法について意見を言ってもらうという方法でした。私は司会から指示されたポイントにコメントを述べる役割でしたので、皆さんの意見を聴いて子ども家庭支援センターがやれること、児童相談所が動かなければならないことなどについて話をして会は終わりました。ところが会終了後、一人の児童福祉司が突然「先生に文句がある。児童相談所が動かないといっているがどこだ!」と苦情らしき言い方をしてきました。彼は遅刻して参加し、会議中は指名されても発言はしない、途中で居眠りもしていたので「文句があるなら会議で言ってください。言いたいことがあるならどうぞ!」と返事をしました。このところクールダウンしないと怒りも収まらない日々です。あ〜あ、20年前とあまり変わっていないな、問題に向き合う姿勢や感覚が古い体質のままだと実感しました。
法律が整備され、人材育成が叫ばれ、全国の児童相談所や子ども家庭支援センター、保健センターの援助者たちは日々頑張っていますが、なかには変わらない職員もいるので、アセスメントが一致しなかったとか、保護してほしい時に動いてくれないということもあります。でも、めげずに頑張っている人たちがほとんどですので、投げださないで、しつこく変えられるところから変えていきましょう。