不登校と虐待(札幌市8年監禁の虐待ケース)
今月もまた大きな虐待事件がありました。札幌市北区で、21歳の女性が保護されたのですが、約8年にわたり母親によって学校にも行かせず、自宅に監禁されていたそうです。女性は中学校の入学式とその翌日しか登校せず、担任が家庭訪問しても「娘は具合が悪い」と会わせなかったようですし、やがて担任を拒絶するようになったとのことです。
母親は精神疾患が疑われますが、未治療でした。以前に学校が児童相談所の職員に会合で相談しても、きちんと受理した記録がなく、関係機関同士の話し合いもないまま放置されており関係機関のネグレクトになっていた状況でした。女性は保護された当時は、身の回りのことは何もできず、言葉も忘れていて全体的に3歳位に退行していたとのことです。札幌市の「要保護児童対策地域協議会」はどうなっているのでしょうか。この報道からすると、まったく機能していない感じがします。
「不登校」というのは、いじめなや先生や周りの環境に問題があって、子どもの意思で学校に行きたくないと主張している場合(これは放っていても大丈夫)と、家庭に虐待やDVなどの家族問題があって、子どもは母親の行動を不安に思い学校に行けなくなってしまっている場合と、札幌市のケースのように親が学校に行かせないで登校を禁止している場合があります。これらが単なる不登校なのか、虐待が背景にあるのかを見分けることが大事です。担任に子どもを会わせ、スクールカウンセラーに相談したり、教育相談に行ったりして助言を受けて入れているならば家族機能は大丈夫でしょう。しかし、虐待やネグレクトが疑われる家庭は、子どもに会わせるのを親は強く拒絶するし、家に入れてくれないし、相談にも行こうとはしません。親は意図的に登校させなかったり、弟や妹の世話を押し付けて親代わりの役割を子どもにさせていることもあります。
不登校や家族関係がおかしいときは、学校だけで怪傑しようと思わずに、市区町村の子ども家庭課や保健所・保健センターの保健師、児童相談所に先生がまず相談をしていかないと事態は変わりません。要保護児童対策地域協議会が各市区町村にありますが、関係機関が困っている事例を話し合うようにうまく活用していかなければ、法律はできても魂が入らないままになってしまいます。
なお、一室に長期間監禁すると子どもは赤ちゃんのように退行して何もできなくなって、精神病を発症してしまうことがあります。以前世田谷でも同じようなケースがありした。このケースは弁護士さんが親権者になって女児の養育をしていきました。その経緯は「緘黙の少女」というタイトルで出版されていますので、興味のある方は読んでみてください。