2008年のブログ
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家族関係支援について


 先日、千葉県児童家庭課虐待対策室から「家族関係支援の手引き~切れ目のない支援の実現に向けて~」が送られてきました。2年がかりで家族関係支援調整プログラム調査研究委員会が作成までにこぎつけた虐待家族の支援プログラムの手引きです。毎月1回、市川児童相談所に大学准教授、臨床心理士2人、各児童相談所職員、県庁職員、私の10数名が集まり、子どもを保護した後の治療やケアをどのようにしたらいいか、家族を統合できるのか、できないのか事例を検討しながら議論を重ねてきました。「世代間連鎖を如何にして防ぐことができるのか」といったことや「再統合(狭義の再同居)のみでなく、親と離れて生活をしていても良い親子関係が構築できるように支援することも家族関係支援である」という視点を入れながら作成してきました。この手引きは、事例をもとに綿密な議論を自分たちで積み重ねてきたので、かなり現場に即した内容になっています。なかでも「家族関係支援のためのアセスメント」は、厚生労働省のよりわかりやすいのではないかと自負しています。県庁職員はじめプロジェクトメンバーみんなの知恵の結晶です。ぜひとも、児童相談所や保健部門の関係者が、手にとって活用してもらいたい手引きではないかと思います。子どもを保護した後に、保護者は「いつ帰してくれるのか!」と怒っていますね。家族が変化すること、家族関係や夫婦関係が変わることの意味をお互いに了解し、共有できるようになるためにも、この手引きは参考になると思います。
 話は変わりますが、私の相談室でも虐待家族のカウンセリングを行っています。ある家族の子どもは児童養護施設にまだ入所中で、最近ようやく自宅に外出も許可されるようになりました。いまは両親と離れているけれど、この子たちに虐待の連鎖がないようにと両親もカウンセリングや自助グループに通い、子どもたちも施設でセラピーを受けています。ようやく夫婦関係も安定してきたのですが、父親がこの間の子どもと会ったりしたときの写真をDVDに編集しました。音楽は母親が、小田和正の「生まれ来るこどもたちへ」選んだそうです。二人は共同作業ができるようになりました。夫婦葛藤で大変だった二人が、共同作業するとはすごいことです。
 私にもDVDをプレゼントしてくれたのですが、この子たちが?と思うほどいい顔をして映っています。音楽も素敵で、涙が出るくらいとても感動しました。少しずついい親子関係に近付いているな、私も家族にかかわってきてよかったなと、元気をもらいました。先日、母親が電話してきて「このDVDは先生の講演のときに使ってもいいよ」と言ってくれました。私の本(子ども虐待の予防とネットワーク)も読んでいますので、そういう活動をしていると知っているからでしょう。彼女はグループをしっかり使っているし、アディクション関係の本もよく読んでいます。しかし、本当の回復はこれからです。
 これからもこの家族を見守りたいと思います。

2008年5