母子カードなどの記録や情報管理について思うこと

 2月末に「子ども虐待予防とネットワーク」の本が出版されて、なんとなく一息ついたような、時間も余裕ができてきたこの頃です3月は各地に講演やスーパービジョンで飛び回っていました。公務員で努めていたときは自分の区のことしかわからなかったことが、フリーになって各地の自治体の母子保健事業などの内容を知るようになって、驚くことがいっぱいあります。
 私はケースワークを展開していく際には記録や情報管理はとても大切だと思います。そのためには家族状況やなどがアセスメントしやすい相談記録になっていないと、どこに何が書いてあるのか分からなくなります。昔、区に勤めていたときに酒害相談記録表や思春期相談記録表を作り直したことがありました。地区活動をしているときは母子にしろ、精神にしろ、ケース記録はきちんとしていました。そういう土台があったから、アルコール依存症者の予後調査もできたわけです。世田谷区は母子健康管理カードについてもシグナル管理ができており母子保健活動に生かしていました。保健師たちも記録や情報は大事にしていたと思います。母子健康管理カードは東京都の時代から引き継がれてきたものです。
  ところが、他の県では母子健康管理カードさえ作っていない自治体もありました。妊娠届や乳児健診票、新生児訪問記録票などが受けた人だけそれぞれに綴られており、問題がある人だけをピックアップして一人の乳児分にして管理しているような町もありました。未受診は把握していないとか、家族状況はあまりわからないとか、「え?」と驚くような実態を目の当たりにして母子保健の情報管理はいったいどうなるのだろうと不安になります。母子カードはあっても台帳が何冊かあるような自治体もあります。カード管理がシステム化されていないのです。パソコン管理になっている自治体もあります。しかし、訪問にパソコンを持っていくわけにも行かず、相談記録表(カルテ)はやっぱり必要でしょう。
 「健診や」で終ってしまってはフェイスシートに必要な情報、かかわりや介入に必要な情報などは取る必要なかったのでしょうが、これからの時代はその程度では社会から相手にされなくなるでしょう。児童相談所も子ども虐待対応マニュアルの見直しをしています。相談記録も手直しをして書きやすく、見やすいものになりました。母子健康管理カードも使いやすいもので、今の時代に見合ったものに見直しをしてはどうでしょうか?
 母子保健は、虐待の予防に視点に立って取り組まなければならない分野です。「母子福祉」になってしまっては、予防はできません。福祉分野に母子をとられないように、保健分野はもっとしっかりして欲しいなと思っているのは私だけでしょうか。

2007年3月