
ぼくが滞在させていただいたのは、ホーリー・ネーム・カレッジという名前が付けられたフランシスコ会の修道院だったが、施設はそこから歩いてわずか10分ほどの距離にあった。郊外にあるのだろうというぼくの予想に反して、交通量も多い街中にその施設はあった。
合衆国では、刑務所から出てきた性犯罪者はセクシュアル・オフェンダー(性暴力加害者)と呼ばれ、地元の警察に登録されてしまう。もし、住所地を変えれば、又その地の警察に登録されるシステムになっている。・ AA=Alcoholics Anonymous
・ ACoA=Adult Children of Alcoholics
・ ACA=Adult Children Anonymous
・ Al-Anon=Relatives & Friends of Alcoholics
・ CDA=Chemical Dependent’s Anonymous
・ CoDA=Co-Dependents Anonymous
・ DA=Debtors Anonymous
・ EA=Emotions Anonymous
・ EAA=Eating Addicts Anonymous
・ GA=Gamblers Anonymous
・ NA=Narcotics Anonymous
・ NICA/NAA=Nicotine Anonymous
・ OA=Overeaters Anonymous
・ SA=Sexaholics Anonymous
・ SAA=Sex Addicts Anonymous
・ SCA=Sexual Compulsives Anonymous
・ SIA=Survivors of incest Anonymous
・ SLAA=Sex & Love Addicts Anonymous
・ WA=Workaholics Anonymous
ここには異なる役割を持ったセラピストが15人おり、そのうちの2人はハーフウエイハウスの担当になっている。治療費は1日に400ドル(約41600円)かかるので、月に約1248000円かかることになる。しかし修道会や教会に治療費を払う力がなくても、受け入れてもらえるということだった。そのために施設長は月の80%は資金集めに奔走している。
「レジデンシャル・トリートメント」を終えても、入所施設と社会の中間に位置する「ハーフウエイハウス」を数ヶ月から1年以上利用するクライエントもいる。しかし多くのクライエントは、「コンティニュイング・ケア」(継続ケア)の方を受けている。このケアは入所施設を出ても、最初の3年間は半年ごとに、次の2年間は1年ごとに、つまり合計8回にわたって施設に戻り、一週間の治療を5年間続けるというものである。
ぼくは幸運にも、この施設で8年前に治療を受けたという60代の男性から話を聞くことができた。
「私は入所施設に6ヶ月いた後、ハーフウエイハウスにも6ヶ月以上いました。最初の90日間は毎日12ステップグループのミーティングに出ました。私が一番感銘を受けたのは、治療者だけでなくここのスタッフ全員がケアリングの心を持っているということでした。ケアリングの心を持っている人たちが、私の「否認」の壁を取り除いてくれたのです。私はソーバーが9年になりましたが、今でも12ステップグループのミーティングには出ていますし、一日に3回はスポンシーから電話をもらっています。もちろん、その他にも回復するための道具はいくつも持っていますよ」
運転をしながら、そんな話をしてくれている最中に、彼が耳にかけていたワイヤーレス電話に、仲間からの電話が入った。
「やあ、どうしてる?」
彼の回復への実践を目の当たりにした瞬間だった。
(2008.7 吉岡 隆)