2004年12月法務省保護局から原稿依頼があった。『更正保護』という月刊誌に、性の特集を組むので「性依存症」について書いて欲しいということだった。
 アルコール依存症や薬物依存症については世間の関心が高まってきた。が、性依存症についてはいまだに「変態」とか「変質者」などと呼ばれることも少なくないし、病気というとらえ方がされていない。毎月6万部が発行され、全国5万人の保護司や関係職員が読んでいるということなので、お引き受けすることにした。
 2005年になると6月に性犯罪者処遇プログラム研究会から、7月にはAA矯正施設委員会から講演依頼があった。8月には法務省矯正局から音声CDの収録依頼があり、全国に200箇所ほどある少年院や刑務所の入所者に依存症の話をして欲しいということだった。9月から10月にかけては、法務総合研究所、東京保護観察所、同観察所八王子支部から講演依頼があった。
 しかし2005年12月14日に法務省矯正局・保護局から出された「性犯罪者処遇プログラムの実施について」という最終報告書には、私が研究会で話したリハビリ施設の必要性も、セルフヘルプ・グループの重要性も書かれていなかった。
 セルヘルプ・グループは1930年代にアメリカで急速な発展を遂げ、1976年の時点で十数万のグループが存在したと言われている。このようなグループが発展してきた背景には、既存の専門家や諸機関がニーズに応じられなかったことや、サービスの形態そのものにも問題があったことが指摘されている。 つまりここには「愛想づかしの歴史」がある。あれから70年以上も経ったが、依然として不名誉な歴史が続いている。こんなことで良いのか?

2006.1 (吉岡 隆)

第17話 愛想づかし

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