公的相談機関で27年間相談活動に携わってきたぼくは、10年前に「リカバリー」という名の民間相談室を開きました。開いてみてぼくが一番感銘を受けたのは、自分の回復や成長のために時間もお金も惜しまない方々が、こんなに大勢いらっしゃるということでした。
 知識を蓄え、技術を磨くのはプロとして当然のことですが、それらに加えて自分自身のケアに時間もお金も惜しまないことが、クライエントの方々に対するぼくの責任だと思いました。
 10年間の相談活動を振り返ると、「リカバリー」を開く時期は、その前では早すぎたでしょうし、その後では遅すぎたように思います。まさにぼくにとっては、適切な時期にその機会が与えられたのだと思います。
 最初の数年間は相談活動が軌道に乗るか心配でしたが、お陰さまで相談件数は順調に増えてゆきました。2004年をピークに、ここ数年はむしろ相談件数が減少していますが、自分のケアに対して更に念を入れるようになったためです。
 1個でも品物を多く売ろうとする数量重視の店もありますが、一日の数量を限定している品質重視の店もあります。一人でできることには最初から限りがあります。相談の質を落とさないようにするのは当然で、その質を更に良くしようと考えるなら、一日にお会いできるクライエントの数は自ずから決まってくると思います。
 家族が相談に来られてから、かなりの時間を経てご本人が登場するという印象がぼくには強かったのですが、最初に相談に来られた方(ファースト・クライエント=FC)の半数がご本人だったというのは、意外でした。またFCの60%を20代と30代で占めているというのは、比較的若い時期に症状が表面化したのかも知れません。FCの居住地の70%以上が埼玉県内というのは、交通の利便性と関係しているものでしょう。相談経路では、医療機関と相談機関を経て相談に来られる方が全体の約40%でした。でもここ数年は、インターネットの普及により、ご自分でいくつかの相談室を比較検討してから、相談予約の電話を下さる方が増えてきています。
 主訴に依存症が多いのは、著書や講演などで依存症関係のものが多いことによるものと思われます。暫定診断では、アルコールや薬物などの依存が一番多いのですが、性依存やギャンブル依存の方が増えつつあります。処遇結果だけを見ると継続相談が多いように見えますが、継続相談を希望されても中断されてしまう方は少なくありません。しかしその中断も、次の相談へのウォーミング・アップになっていただければ良いとぼくは思っています。
 「リカバリー」では、相互援助グループのミーティングに参加することを相談の条件にしていますが、カウンセリングとミーティングとは相乗効果を成すもので、車の両輪のように考えているためです。現在継続相談されている方の85%が何らかの相互援助グループのミーティングに参加されていて、しかも複数のミーティングに参加されている方も少なからずいらっしゃるのは、「リカバリー」の特徴かも知れません。
 相互援助グループのミーティングには、ぼく自信も週2回平均ですが20年以上通っていて、その効用には計り知れないものがあると実感しています。
       

■1998年から2008年まで10年間の個別相談活動の結果は以下の通りです。

■1998年は6月から12月、2008年は1月から5月の結果です。

■下表1)〜11)をクリックするとグラフにジャンプします。


1)10年間の来談者数推移
2)FC(最初に相談に来た人)数の推移
3)性別FC数の推移
4)年齢別FC数の推移
5)居住地別FC数の推移
6)来談経路別FC数の推移
7)10年間の主訴上位20
8)DSMーIVを参考にした暫定診断
9)依存症の種別推移
10)処遇結果別推移
11)相互援助グループ参加状況

1)10年間の来談者数推移
2)FC(最初に相談に来た人)数の推移
3)性別FC数の推移
4)年齢別FC数の推移
5)居住地別FC数の推移
6)来談経路別FC数の推移
7)10年間の主訴上位20
8)DSMーIVを参考にした暫定診断
9)依存症の種別推移
10)処遇結果別推移
11)相互援助グループ参加状況
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